ロイヤルスプーンのはじまり
私、水野恵太は若い頃からずっとこの新潟県燕市で仕事をしています。最初は燕市の製品をメインで取り扱う卸売り業、次に金属加工をして実際に品物を作る製造業、そして現在はロイヤルスプーン代表として銀のスプーンをお届けしています。
卸売り業の会社に勤めていた時は、製造する職人さんも実際に商品を使うお客様の顔も見たことがありませんでした。製造する側になってはじめて現場で品物を作る職人さん達と話すようになり、各商品の製造工程や金型、磨きなど自分でも実際にやってみて作る側の顔がわかるようになってきました。しかしそれでもまだ、製造業という場所では問屋さんや小売店さんがお客様であり、実際に品物を使用するお客様と接する事はできませんでした。
そして製造から販売へと変わり、このショップを通じてようやくお客様と接する事ができるようになりました。それまでは自分が作った品物を実際に使うお客様がどのように思っているかもわからずに品物を作り続けていました。
宮内庁御用達メーカー製造のシルバー950ロイヤルスプーンは、当店からお客様にお届けしはじめてもう15年以上になります。 最初の頃は「地元燕市産の良い物をお届けしたい」とはじめた当店ですが、長男が生まれて、友人にも子供が生まれ、赤ちゃんの名前を入れた銀のスプーンを届ける事が多くなってくると、だんだん「もっとこうしたい」「もっとこうあるべき」と、私自身の銀のスプーンに求めるクオリティが上がってきました。
私はいつもロイヤルスプーンを最高の状態でお客様にお届けしたいと考え、品物を作るところから見せていただき、赤ちゃんにとって、それを贈るお客様にとって「良い物」であり続ける為にロイヤルスプーンも日々成長しています。品物だけでなく名入れに関しても、ネットショップの開店当時は英字のしかも大文字でしか刻印できませんでしたが、今では漢字、ひらがな、カタカナ、英数字と刻印できる内容もアップデートされています。
赤ちゃんに銀のスプーンを贈るという事について
当時は私は父親として自分の子供に最高の銀のスプーンを作ってあげようと思いこの純銀スプーンに向き合っていました。この金属加工で有名で、特にカトラリーは世界中に届けられ様々な国で評価されている新潟県燕市で生まれた子供に「最高の銀のスプーン」を持っていて欲しかったんです。
赤ちゃんにとって銀のスプーンは縁起物で、一生食べるものに困らない、魔除けになるなどと言われています。
ロイヤルスプーンには赤ちゃんが生まれたばかりのパパやママ、「孫が生まれた!」と喜ぶおじいちゃん、おばあちゃんからのご注文が多いです。おじいちゃん、おばあちゃんからは電話でのご注文も多く、皆様とても嬉しそうにお話されますので、私まで嬉しくなってしまいます。
私は子供の頃、近所でも有名な「ばあちゃん子」でした。一昨年の私のばあちゃんは亡くなったのですが、ウチの両隣と向かいのお母さん(現在みなさん孫がいるのでおばあちゃんですね)が「ケイタのばあちゃんが亡くなってケイタは大丈夫だろうか?」と心配したんだそうです(笑)
もちろんばあちゃんが居ないのは寂しいですが、ばあちゃんに言われ続けて「何十年もかけて覚悟してきた」ので、人前では平静を装う事ができました。私にももう子供がいて、子供達の前で元気いっぱいにうろたえたり泣いたりできませんからね。
ばあちゃんが亡くなって、元気だった頃にばあちゃんからもらった物や教えられた事などが、今はとても大切なものとなりました。ばあちゃんから買って貰ったものを見る度に、ばあちゃんから教わった事を子供に教える度に、ばあちゃんとの思い出がよみがえります。
子供の頃はわからなかったけど、良い物を与えられていたんだな・・・と思う事がよくあります。
私は名入れをしたロイヤルスプーンが赤ちゃんにとってそうあって欲しいと思います。生まれた時すぐにもらって、当たり前のように毎日使っていた銀のスプーンが、その赤ちゃんが大人になってから「良い物を選んでくれていたんだな」と、「おとうさんおかあさんありがとう」と、「おじいちゃんおばあちゃんありがとう」と思ってもらえる事がこの上ない幸せです。